
牧野記念病院 看護部長
「何かの資格を持って、ずっと仕事をしていたい」という思いがいつもありました。そうして働ける職業の選択肢として、学校の先生か看護師さんになれたらな、と思っていたんです。
最初は、小さい頃から憧れていた小学校の先生への道を志しました。だけど…私が就職する頃って、子どもたちを取り巻く社会環境がものすごく荒れてきた時期で。子ども同士のいじめや自殺、児童犯罪や学級崩壊が爆発的に増えてきた時代だったんですね。そんな社会環境のなかで徐々に、先生になる自信がなくなっていってしまって…。どうしようかな、と悩んでいるうちに、もう一つの夢であった看護師になろうと思うようになりました。これには、看護師だった私の叔母の存在が大きな決め手になったように思いますね。叔母はずっと働き続けていましたから、「長く仕事を続けられるんだな」ということを、身近な部分で実感できていたんです。また、私の通学路に看護学校がありましたので、今思えば、看護師を目指す学生さんたちの様子を毎日目にする環境も影響していたのかと思います。「ずっと仕事をする」というお手本にあふれた環境があったからこそ、看護師という仕事を、自然と自分の中で受け入れていたのかもしれませんね。

私は看護の根底は、“愛”だと思っているんです。“愛”なんて、口に出して言うのは少し照れてしまうけれど、でも本当にそうだと思うんです。究極をつきつめていくと、看護の根底は“愛”、“人間愛”なんだって。それに気付けたきっかけは、ある患者さんとの出会いなんです。
乳ガンを患って入院した彼女はひどく悲嘆していて、病気と向き合うことができなかった。私は、その人との対話をどんな風に持っていって、どうしたら受け入れてもらえるのか?と考え、看護の理論を利用して、交換日記(ポートフォリオ技法)を始めました。それも、みんな(24時間、色々な看護師)で書く交換日記です。「みんなが、あなたを思っているし、元気になってもらいたい。お家に帰って、できることを増やして欲しい」と精いっぱい伝えたんですね。そうして、本当に彼女が抱えている悩みを伝えてもらって、私たち看護師が「あなたを思っています」という”愛”を込めるようにした結果、治療に参加もできなかった彼女が、退院して、外来治療ができるようになったんです。
看護の実践に理論や技法は必要です。だけど、それを使って患者さんに対応していく時の根っこの部分は、”愛”。愛があってこそ看護が成り立つんだと気付いたんです。
看護師は”愛”を届けるために様々な理論や技法を用い、患者さんの求めるもの(ニード)に応じた行動をとっていくべきだと思っています。
前部長が病棟に掲示してくれた言葉に、「その一言が人を傷つける。その一言が人の”心”をあたためる」があります。私もこの言葉を引き継いで、「“心”がある職場環境」にはこだわりを持っています。
どんな言葉でも、相手にそれを伝えたいのであれば、その人を思う”心”をぶつける言葉使いをしたい、自分の”心”を言葉で相手にぶつけ、相手の”心”をあたためる関係でありたいと思っているんです。
この病院には、歴代の前看護部長や仲間が作り上げてくれた、家庭的な愛のある職場環境があります。それを大事にして、その上で足りない部分も補いつつ、一歩ずつ着実に、成長していきたいですね。
今、一緒に頑張ってくれている仲間が、「一緒に働きたい」と思うような人ですね。
私は今こそこうして看護部長という職についていますが、かつては仲間と一緒に切磋しながら頑張ってきました。その時の仲間が今、私の「こうでありたい」という思いに賛同してくれています。だからこそ、私は、仲間が「一緒に働きたい」と思ってくれる人が欲しいんですね。
具体的には…自分を振り返って、次の自分の目標に、少しでも近づこうと努力してくれる人ですね。少しずつでいいんです。高い目標を掲げて無理をしてダメになるのではなく、その場にずっと留まるのでもない。ときどきは休みながらも「これだけ頑張ってみよう」と、目標を設定して行動し、達成できたら「やったじゃん」と自分を褒めてあげる。そしてまた「次にまたこれだけ頑張ってみよう」と、自分のペースでいいから、自ら目標を設定して達成して欲しい。そこに喜びを見つけて、モチベーションをあげて”笑顔”でい続けられる人がいいですね。
あなたは看護業界に必要な人。自分を大切にして、自分の存在感をいつも感じていて欲しいです。仕事って、一生懸命すぎると、嫌になってしまう時が必ずあると思うんですね。「完璧じゃなくちゃダメだ。でも私にはそれができないから、辞めたい」なんて人もいるでしょう。そんな時にこそ、「自分を必要とする人がたくさんいるんだ」と感じて欲しいです。パーフェクトの人なんていません。得意・不得意、合う・合わないというのは人によって違うのだから、どこかに必ずあなたが必要とされる場があります。
だから、ゆっくりでいいから、自分を見つめて、自分を大切にして欲しいですね。
| 牧野記念病院 |
法人概要 |
| 本部所在地 |
〒226-0003神奈川県横浜市緑区鴨居2-21-11 |
| 運営病院・施設 |
医療法人社団 青葉会 牧野記念病院 |
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