
年代別看護師の傾向まとめ
20代、30代、40代、50代、それぞれで異なる看護師の傾向についてまとめました。
現在、看護師として働いている方、これから看護師として働こうと考えている方。 看護師の年収が他の職種と比較して高いのか、安いのか。 気になりませんか?
医療関係の仕事と聞くと、給与は平均的に高そうですが、看護師の給料事情は実際のところどうなっているのでしょうか? 転職を検討する上で一番気になるであろう、“お金”の部分にフォーカスを当てたいと思います。
給与総月額 35万2,157円
基本給月額 25万4,583円
参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/chingin/data/suijyun.html
「基本給月額」は、手当やインセンティブなどを除いた基本となる賃金。 「給与総月額」は、実際に支給される賃金です。 求人に掲載される基本給と支給額に大きな差があります。 厚生労働省から発表された「平成 27 年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般労働者の賃金(男女計)は30万4,000円、女性の平均賃金は24万2,000円となっています。
男性の看護師も増えてきましたが、まだまだ女性の割合が圧倒的多数を占めています。 そのことを踏まえると、看護師の賃金は平均より高いと言えるのではないでしょうか。 また、他職種に比べて平均年齢も低く、年齢的な面を考慮しても高水準と言えるでしょう。 看護師は働いている期間が長ければ、賃金もそれに伴って上昇していきます。
【図1】年齢別看護師の賃金額(フルタイム勤務の正規職員の非管理職)
参考:https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/chingin-2012.pdf
看護師は、就業する施設の規模のよって給与に差が出てきます。
看護3年過程卒 | 看護系大卒 | 勤続10年の 看護師 | |
---|---|---|---|
99床以下 | 195,235 | 201,683 | 234,560 |
100~199床 | 198,783 | 204,809 | 239,198 |
200~299床 | 199,987 | 206,680 | 243,584 |
300~399床 | 243,584 | 210,239 | 254,718 |
400~499床 | 204,679 | 211,858 | 259,244 |
500床以上 | 207,592 | 215,267 | 268,190 |
参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/chingin/data/suijyun.html
日本看護協会の資料によると、看護系大学を卒業した看護師の初任給は、500床以上の病院が一番高い値となっています。 一般的に病院の規模が大きくなれば、給与水準も高くなります。 高度な医療を行っている施設では、その分看護師に求められるスキルも高くなります。
スキルアップや給与アップを望んでいる人は、大規模な医療施設を中心に求人を探すと良いでしょう。
看護師の給与水準は地域によっても差があります。
まずは、行政区分別の賃金額を紹介します。
【図1】年齢別看護師の賃金額(フルタイム勤務の正規職員の非管理職)
参考:https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/chingin-2012.pdf
他の職種にも言えることですが、都市部に近づくほど基本給は高くなり、平均年齢が若くなります。 しかし、街の規模が小さくなれば、それだけ地域に根付いた医療ができるという特徴があります。 給与と勤務地域の関係は、自分が看護師として目指すべき方向をしっかりと見据えて考えていきたいところです。
続いて、都道府県別の看護師の給料を紹介します。
今回は、看護系大学を卒業した新卒職員の初任給の平均で比較。
参考:https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/research/95.pdf
僅差になりますが1位は愛知県、2位が埼玉県となっています。 そして、関西圏では滋賀県がトップです。東京都が意外にも5位以内に入らない結果となりましたが、病院数も多いので平均より上回る施設も多いようです。
その他関東以外には、静岡県、和歌山県、山形県、岐阜県などが高水準の給与を示しています。 いずれにしても、給与面において好条件の求人は、都市部に集まる傾向があります。
看護師と言ったら、残業などの時間外労働が多いイメージがありませんか? 実際、口コミなどを見ると、看護師の時間外労働は結構あるようです。
参考:https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/chingin-2012.pdf
日本看護協会の行った調査によると、非管理職の看護師が1ヶ月に行った時間外労働時間の平均は13.4時間です。 中間管理職になると平均17.9時間も残業しています。責任が大きくなっていく分、時間外労働の時間も増えるということでしょう。
厚生労働省の発表している「毎月就労統計」によると平成28年8月分の労働者全体の残業時間は、10.2時間。 他の職種と比べると、看護師は時間外労働が比較的多い職種のようです。
看護師は、患者さんありきの仕事なので、状況に応じて時間外労働が伴うのは、仕方がないことだと思います。
では、その時間外労働に対して、しっかりとした給料が支払われているのでしょうか? 支給される時間外手当の満度をグラフにしました。
【図1】年齢別看護師の賃金額(フルタイム勤務の正規職員の非管理職)
参考:https://www.nurse.or.jp/home/publication/pdf/2014/chingin-2012.pdf
「納得している+少し納得している」の割合を合わせると41.4%。それに対して「納得していない」と回答している人の割合が43.4%。 多くの人が、仕事に対して時間外手当の支給額が少ないと感じているようです。
いわゆる「割に合わない」ということですね。 給与水準が比較的高いことを考えると、支給額が少ないということはあまり考えられません。 仕事内容がハードで、ストレスが溜まりやすい分、「それにしては少ない」と感じる人がたくさんいるのではないでしょうか。
看護師は管理職に就くことで、昇給が見込めます。 長く働く気があるのであれば、管理職へのステップアップを狙って行きたいです。 病院の職位ごとの基本給が最も高い人に、その基本給を聞いた結果を下記に示します。
25万円 未満 | 25~30万円 未満 | 30~35万円 未満 | 35~40万円 未満 | 40~45万円 未満 | 45~50万円 未満 | 50万円 以上 | 合計 | 平均 (円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
看護部長(専任) | 2.4 | 7.6 | 11.6 | 20.1 | 26.5 | 11.6 | 20.1 | 100.0 | 427,573 |
副看護部長 | 2.1 | 7.4 | 9.5 | 30.0 | 29.8 | 12.2 | 9.1 | 100.0 | 405,373 |
看護師長 | 5.0 | 14.1 | 17.1 | 29.6 | 21.1 | 7.6 | 5.5 | 100.0 | 370,949 |
副看護師長 | 8.7 | 14.4 | 16.5 | 39.5 | 17.2 | 2.6 | 1.2 | 100.0 | 350,882 |
主任 | 13.1 | 25.2 | 21.0 | 26.4 | 11.3 | 1.9 | 1.1 | 100.0 | 327,143 |
専門職 | 10.9 | 23.8 | 30.5 | 25.0 | 7.2 | 1.7 | 10.9 | 100.0 | 325,692 |
非管理職 | 13.0 | 24.7 | 26.2 | 25.4 | 8.7 | 1.5 | 0.5 | 100.0 | 323.298 |
稼動病床別の初任給の基本給月額 参考:https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/chingin/data/suijyun.html
非管理職の方の平均年齢は53.0歳。看護部長の平均年齢は56.7歳。その差は3歳しかありませんが、平均給与額には10万円の差があります。
管理職になりたくても、全員が全員なれるわけでもないですし、人によって向き不向きもあるでしょう。 責任は大きくなりますが、やりがいも感じられるので給料のアップを図りたい人は、管理職を目指すようにしましょう。
また、若いうちから高い給料をもらいたいという方は、専門看護師を目指すという方法もあります。 ガン看護、精神看護、地域看護、感染症看護など、その分野に特化した看護師になることで、若い時から医療業界で重宝され、高い給与が望めるでしょう。 知識や技術を身につければ、そこからずっとスペシャリストとして働けます。
看護師の給与明細に書かれている項目を紹介します。
給料の基本の部分
基本給以外で支払われる料金
看護師の資格を持っている人に支払われる
管理職に就いている人に支払われる
短い期間で昼夜の労働時間が変わるような病院勤務をしている方に支払われる
法定労働時間(原則1週40時間、1日8時間)を超えて働く場合、 25%増しの給与が支払われることが労働基準法で定められています。
法定休日に出勤する場合、給与の35%増しの給与を支払うことが労働基準法で定められています。
午後10時から午前5時まで働く場合、給与の25%増しの給与を支払うことが労働基準法で定められています。深夜勤務が時間外労働だった場合、通常の割増に深夜勤務の25%増しが加算されます。
看護師の給与の特徴として、手当や割増が多いことが挙げられます。看護師求人の雇用形態の欄には、多くの場合「常勤(夜勤あり)」と書かれています。夜勤を含む時間外労働が多くなるので、結果的に多くの給料をもらえます。それを、「たくさん給料がもらえる」とポジティブに捉えられる人は、看護師に向いていると思います。
看護師の給与や平均年収は一般の企業に比べれば、高いことが分かったと思います。
しかし、看護師の方の給料に関するコメントを見てみると、「仕事内容の割に…」「すごく忙しい…」「残業が多くて…」など、ネガティブなコメントが多く見られます。
実際に働いている看護師の方にとっては、給与額の単純な多い少ないより、「自分のやっている仕事内容に見合った額がもらえているのか?」という部分が大切なのではないでしょうか。 看護師の求人を見る時は、給料の額を見ることも大事ですが、それと共に仕事内容との比較の部分もしっかりと考えることが重要なポイントです。
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